今回の「偽ID事件」に遭い、ネットで調べたり知り合いの不動産会社に話を聞いたりしたことで、悪質な「違法占有」にはさまざまなパターンがあることを知りました。
大家として絶対に避けたい、恐ろしい4つの占有パターンをまとめます。
1. 又貸し(転貸商売)
知り合いの築古戸建大家さんに聞いた話です。 Aさんに貸したはずなのに、しばらくして様子を見に行くと、見知らぬ人たちがたくさん住み着いているという「また貸し商売」をされてしまったケースです。
その大家さんは「家賃が支払われているうちは黙っている」と言っていましたが、「そういう人たちは結局、滞納に繋がることが多い」とのことでした。
2. 不法滞在者の「タコ部屋」
「タコ部屋」とは、労働者を過酷な環境で監禁・強制労働させる悪質な寄宿環境などを指す言葉です(昭和中期、北海道などの過酷な環境で罪人や困窮者に強制労働を強いた歴史や、九州炭鉱の納屋制度などに由来します)。
現代では、不法滞在者を違法に雇って安く使う「闇のブローカー」が存在します。 彼らは甘い言葉で不法滞在者を誘い出し、一箇所にまとめて住まわせて作業をさせます。日本語が不自由で母国に帰るのも難しいという弱い立場につけ込み、偽造IDを作ったり不動産契約を代行したりして物件に押し込むのです。そして相場より遥かに安い賃金で働かせ、中間搾取(ピンハネ)で利益を貪るスキームです。
3. トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)のアジト
賃貸の営業さんと話していて聞いたのが、「トクリュウ」の存在です。 警察庁なども対策を強化している新しい形態の反社会的グループで、以下のような特徴があります。

- 匿名性・流動性:従来の暴力団のような固定組織や上下関係が薄く、SNSや闇バイトなどを通じて非対面で緩やかにつながる。
- 役割の細分化:指示役・実行役・調達役(口座や携帯の準備)・回収役などが細かく分かれており、互いの素性を知らないまま犯行に及ぶ。
- 多岐にわたる犯罪:特殊詐欺、強盗・窃盗、違法スカウト、薬物売買など、収益性の高いあらゆる犯罪に参入。
実行役(闇バイト等)が捕まっても、指示役はSignalやTelegramなどの暗号化アプリを使うため、首謀者まで手が届きにくい構造になっています。また、若者が知らないうちに巻き込まれるリスクや、暴力団との境界線があいまいな点も大きな問題となっています。
4. 大麻栽培ハウス
地元のニュースでも最近見かけましたが、田舎の一戸建てやアパートは部屋が広いため、室内に機材を持ち込んで大麻を栽培し、逮捕されるケースがあります。
室内で大麻栽培をされると、栽培用の湿気で部屋中がカビだらけになり、床も腐食します。 壁紙や畳、クッションフロアの張り替え程度ならまだしも、カビが奥まで侵食すると石膏ボードそのものを全貼り替えしなければなりません。
たとえ保証会社に入っていたとしても、家中すべての壁・床をやり直せば一発で大赤字です。大家として、これほど恐ろしいことはありません。
今回の事件を振り返って(まとめ)
今回、我が家の物件に現れた入居者(ID写真と実物の顔が別人だった人物)は、しきりに携帯でメッセージか何かを確認していました。
引越し予定時間になっても現れず、仲介会社に連絡するとわずか10分ほどで本人から電話がかかってきました。引越しの予定時間を事前に連絡してくれていたにもかかわらず、キーボックスがあるから別に予定した時間に行かなくてもいいさという感じ。普通なら引越しは、たくさんのお金を払って行う大事なイベントです。1日でも早く引っ越して家賃を節約したい、生活を始めたいのが普通です。このどんぶり勘定(お金にゆとりがある)雰囲気・・・個人というより法人もしくは組織の感覚。しかし、大家から連絡があった途端に妙に迅速に電話をかけてきて「今駅にいます!」という・・・そんな点から見ても、外国人専門の仲介会社とブローカー組織がグルだった可能性が高いと感じています。不法滞在の個人が頑張って偽のIDを使って家を借りるなら、もっと「この機会を逃すものか!」と必死で引っ越してくると思います。
物件に来た彼は、ブローカーの指示役から「今すぐ〇〇へ行け」と命じられて動いていただけの「駒」なのだと感じます。私の連絡した不動産仲介プラットフォームから相手の外国人専門仲介に電話がいって「入居者さん(偽物)」から電話がくるまでたった10分程度。このスピード感からも外国人専門仲介とブローカーはグルもしくは同一組織と感じます。
当日に来た入居者さん(偽物)はすごく頭を低くして、感じよく振る舞おうとしていました。しかし名前や会社名以外、彼が話す情報がすべてチグハグで、身分証明書や申し込み書の内容と話の辻褄がまったく合いませんでした。私を騙そうとされたことには腹が立ちます。しかし私が振った世間話に対してうっかり自分の本当の居住地やリアルな肉体労働の仕事内容を話してしまったり、駅へ送迎してあげた私の親切に嬉しそうに微笑んだり・・・。最初は、しっかりとしたマスクをしていたのですが、私と楽しく会話しながらご近所周りをするうちに次第に警戒心を解いていき、最後にはマスクを外して素顔を見せて私やご近所に微笑んじゃうような「うっかりした人物」でした。
あのうっかりな彼に、「一部上場企業勤務・永住権ありのエリート外国人」というストーリーを組み立てて、巧妙な偽造IDを用意して、大手プラットフォームや保証会社、そして大家である私を完璧に騙すような罠をしかけて安くない前家賃を支払う余裕や悪知恵があるとは到底思えません。
ガスのメーター写真を撮影していたのも、指示役に報告して「物件についたこと」を示す証拠として提出し謝礼をもらうためだと思います。ブローカーはその写真を見て遠隔でガスの契約手続きを進めるためだったのだと思います。おそらく、我が家は「不法滞在労働者のタコ部屋」か「トクリュウのアジト」として使われる予定だったのではないでしょうか。
最近、私の近所でも外国人による空き巣や強盗が多発しています。 関東郊外の田舎町は、犯罪者からすれば「都市部から近いのにガードが甘く、田舎だから広くて部屋数も多く、荷物を置いたり大勢で潜伏するのに好都合な場所」に見えるのだと思います。
「自分の物件は自分で守る」という意識を持ち、これからも気を引き締めて賃貸経営に向き合っていきたいです。
またゼロから客つけですが、きっと長く幸せに住んでくださる優良な入居者様が来てくださると信じて、物件を手入れ&ステージングしていきたいと思います。


