【実録サスペンス・審査編】「あんた、どこみてんのよ!?」昭和の審査のまま止まっている日本の不動産業界

シケモク不動産

今回、外国籍の入居予定者から偽造IDを提出され、契約・入居の寸前まで進んでしまいました。最終的に私が現地で鍵の手渡しをする際、相手の顔を見て強烈な違和感を覚え、自ら調べ直したことで発覚しましたが……もし私が気づかなければ、そのまま契約が完了していました。 心の中で激しく絶叫しました。

「アンタたち、一体どこを見てんのよ?!」

「何を見て仕事してんのよ?!」と。

今回、この偽造IDを「スルー」した関係機関は以下の3組織です。

  1. 外国人専門の仲介業者 しらばっくれてはいるものの、構図からしてグル(悪質な移民ブローカー)を疑いたくなるレベルでした。
  2. 仲介プラットフォーム 急成長中の新興企業で明らかに人手不足。「不動産会社」というよりはマッチングアプリ(メルカリ的)なスタンスです。「大家を守る」というスタンスではなく、大家が直接借主と繋がりやすくする効率化を押し出す面が強いです。ネットでマッチングしたらデジタル契約を結び、キーボックスや郵送で鍵を渡して終了。非対面・流れ作業のため、通常の入居者なら超絶スピーディかつ効率的ですが、悪意ある人間が入るとあっさり騙される仕組みです。すでに転貸や違法ブローカーに気づかれており、悪用され始めている様子です。
  3. 保証会社 東証スタンダード上場企業で大手金融機関がバックにいるガバナンスの効いた会社ですが、偽造IDを一切見抜けませんでした。恐らく審査内容は家賃滞納歴や反社リストの照会程度にとどまり、偽造身分証やトクリュウ等の流動的な犯罪組織を見分けるチェック機能は皆無のようです。とにかく利益を上げるために緩めに審査を通して何かあったら回収部門に取り立てを頑張らせるという力技の方針で戦っているようす。

地元の「昔ながらの不動産会社」は何を見ているのか?

地元で実績のある老舗の不動産会社(非上場・地域密着・複数店舗あり)にもヒアリングしてみました。この不動産会社は、契約書もとても丁寧で抜け目がありません。田舎の大地主相手に地元だけに特化して仕事ををしているため、地主からの信用を大事にしている特性から、貸主を守る気遣いが強いです。そんな彼らのチェックポイントは以下の通りでした。

  • 対面チェック:入れ墨(タトゥー)の有無、乗っている車、会話の辻褄が合うか。
  • リストチェック:自社で蓄積した反社・過去のトラブル入居者の独自ブラックリストとの照合。

正直な感想として、チェックの視点が「昭和」のまま止まっており、令和の犯罪トレンドについていけていないのかもしれないと思いました。 地元の信頼ある不動産会社であっても、見ているのは「滞納」と「従来の反社」のみ。偽造IDや偽造在留カードのチェックについては完全にノーマークでした。

結論:犯罪のアップデートに、社会のスキームが追いついていない

構造を整理すると、以下のようになります。

  • 昔の問題:「家賃滞納者」「暴力団・従来の反社」
    • 対策:信用情報照会、対面確認、反社リスト(※既存の仕組みで対応可能)
  • 今の問題:「不法移民」「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」
    • 対策スキームが存在しない(誰もチェックしていない)

新しいタイプの犯罪や社会問題が先行し、日本の不動産業界や保証会社、プラットフォームのチェック体制が全く追いついていないのが現実のようです。

「保証会社の審査に通ったから大丈夫」「大手や不動産屋が見てくれているから安心」という盲信はもう捨てなければなりません。これからは大家自らが探偵のような視点と危機感を持ち、一つ一つの書類や事実の裏付けを取らなければ、自分の身や大切な物件を守れない時代になってきていると痛感しています。

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