地味なものづくりお宝シケモクの宝庫、東証スタンダード市場へようこそ。
今回図鑑に登録するのは、建設機械用の高強度ボルト専業大手「共和工業所(5971)」です。コマツや日立建機などのメーカー向けの部品が主力で、私が大好物の「地味に控えつつ大物の急所を握る」系の下請け企業。地味だけど、なんだか高品質で参入障壁が高そうな、替えが効かなそうな商品を作っているっぽい佇まいが、とても好ましいです。
共和工業所の「ガチガチ」な基礎体力
まずは、この企業の突き抜けた財務データを見てみましょう。
- 自己資本比率:87.4%
- 利益剰余金:124億円
- 有利子負債:ゼロ
- 営業キャッシュフロー:14億円
- 現金同等物:50億円
- 業績:うっすら減益しながらの横ばい
- 営業利益率:9%
- 純利益率:13%
- 配当利回り:1.04% (減益だけど配当を出し続けている=隠れ増配。だが株価が2倍に上がって利回りは低くなった。)
- PBR:0.62倍
社長は山口真輝氏(48歳)。先代の長男であり、一族でがっちり舵を取るファミリー経営です。
ここが異常!高すぎる営業利益と、謎の「ねじれ現象」
ふつう、ただの下請けパーツ屋といえば、利益率3%や4%程度で発注元から値切られ、こき使われてすり減らされる……という「奴隷商売」になりがちなイメージがあります。
ところが、この会社の営業利益率はなんと9%。彼らが部品を収めている先である主要顧客のコマツ(13%)や日立建機(9%)と堂々と張り合う勢いです。よく仕組みはわかりませんが(笑)、それだけ「他では絶対に替えが効かない、めちゃくちゃ大事なボルト」を作っている証拠と言えます。
さらに面白いのが、本業の儲け(営業利益9%)よりも、最終的な手残り(純利益13%)の方が高くなっている点です。
出たよ、これ。溜め込みすぎ一族経営あるある。
貯金(内部留保)がデカくなりすぎて、そこから生まれる運用利益や利息だけで全体の利回りを押し上げちゃっているパターンです。下請けのパーツ屋でありながら、金庫の中身が勝手に雪だるま式に増えるフェーズに入っています。
おいおい、どんだけうまいこと運用してんのよ?!投資会社かよ?!(笑)
東証の「改善要求リスト」を調べてみたら……
最近勉強したての「東証の改善要求開示企業一覧(Excel)」で調べてみたところ、 「改善報告書、出してないやーん(笑)」 どうやらボルト作りに忙しいようで、今のところ市場へ分配する気はサラサラないみたいです(笑)。
きくちゃんの学び:マーケットを突っぱねる「職人の隙のなさ」
この地味で鉄壁な企業を掘り下げてみて、シケモク投資としての深い学びがありました。
- 配当狙いで買う株ではない 利回り1.04%では投資対象としてはお話になりません。これなら5年国債を買ってノーリスク脳死でのんびり利息をもらう方がマシです。
- 「世界の建機需要」という安心感に乗っかる株 コマツや日立建機が世界で稼ぎ続ける限り、この会社も絶対に潰れずに現金を溜め込み続けます。
将来的な大増配の可能性もなきにしもあらずですが、彼らはマーケットの評価を気にして背伸びをするより、太客である建機メーカーに「100%信用できる商品を安定して提供すること」にフルベットしています。メーカーに切られたら終わりだからこそ、手元に現金を残して材料高などもヘッジしつつ、品質と歩留まりを安定させて「絶対に切られないポジション」を死守する。きっと、山口家の家風がそういうマッチョな職人気質なのかなと思います。
もし株価がガタガタなら東証の小言も耳が痛いでしょうが、近年の米国や世界中で鉱山堀り・道路作り直しブームが起きて太客のコマツが過去最高に稼ぎまくったため現在株価は3年前からほぼ2倍に大化け中。一族や身内で50%以上の株をガッチリ握っているからハゲタカにつけ込まれる隙もなく、「なんも問題ないじゃん」と突っぱねられる圧倒的な隙のなさ。
「ハゲタカが大好きな現金をパンパンに持っているのに、ファミリーや地元仲間の結束が固すぎて指一本触れさせない」という田舎ヤンキーのような構造です。山口家の家風が、財務だけでなく「株主構成」の面でも完璧なディフェンスを敷いているのが、この会社の本当にカッコいいところであり、個人投資家目線でいうと非常に面白みがないところです。
結論:今回の投資判断
ものづくりの企業として文句なしに格好いいです。まさに漢と書いてオトコ!!
しかし、すでに株価もそれなりの高値圏にあり、配当金は低く、東証に言われて急に動くような気配もありません。
HPには48歳のイケメン若社長(知らんけど)の写真もなく、IRのページを開けば「現在の株価」が一番最初に出てくるという、まるでPBRの低さを指摘しようとする外部に株価を見せてメンチを切っているような硬派ぶり。
嫌いじゃないわ、そういうヤンキー魂。
とっぽくて格好いいけれど、身内にしか笑顔を見せない硬派な「漢と書いて男」……。そんな男には、私のようなシケモクなよそ者は相手にされそうにありません。
今回は「買わないという、最高の選択」をして、このキャラ濃いめのヤンキーシケモクをそっと「シケモク図鑑」にコレクションしておこうと思います。
💡 おまけ:手先が器用な力持ち女子たちに告ぐ
HPを見ていたら、一般事業主行動計画の欄に「2026年4月1日~2030年3月31日までの4年間で、生産部門で働く女性労働者を3名以上にする」とありました。
この会社の人数は290人です。昭和かよ。男子校かよ。
令和のこの時代に「4年かけて3名の女性労働者を増やすこと」を律儀に、声高らかにHPに載せるあたりが、非常にズレてておもしろ過ぎます。本気でしょうか?天然でしょうか?
東証にPBR改善要求のお返事は出さない割に、HPの一番上にYahoo!の株価を貼り付けて「株価高い自慢」するし、290人も雇ってめちゃくちゃ立派な会社なのに現場に女性社員がほぼいなくて昭和体質だということを自ら暴露するような控えめすぎる目標を載せるし……。
ボルト製造の信頼性と丁寧すぎる資金管理以外のことが、色々と時代錯誤で見当違い。このギャップ……味わい深い。おもしろすぎます。
【結論】 男兄弟の中で育ち、気が強くてオジサンたちのノリも結構平気、そして力持ちで手先が器用な貴女、共和工業所が待っています!!(笑)
ゴリゴリの昭和な男の会社なので出世はのんびりかもしれませんが、**社内結婚には非常に適した環境です。**身元のしっかりした、福利厚生の揃った男たちが選び放題だよ!!!


