【実録サスペンス第1話】「急ぎ・内見なし」で決まったエリート外国人入居者…お迎えに行ったら謎だらけだった話

シケモク不動産

今日も今日とてバリューに生きる。シケモク投資家のきくちゃんです。

1.5ヶ月前、シェアハウス生活をされていた前入居者様から退去の連絡があり、すぐに次の入居者様の募集を開始しました。

地元の不動産会社さんと某不動産プラットフォームにマイソク(物件の見取り図や賃料、ライフライン情報を載せた説明資料)を送って募集をお願いしたところ、1週間ほどしてすぐに「急ぎにつき内見なし」の条件で申し込み+契約が入りました!

は、早い!ラッキー!

保証会社の承認もおりて、送られてきた申し込み資料は……

  • 在留カード:東南アジアの方。まだ20代にもかかわらず永住権をお持ち。
  • 給料明細:一部上場企業にお勤めで手取りは39万円ほど。お家賃を支払うには全く問題ない内容です。勤務状況もとても良く、休日出勤や家族手当もついています。
  • パスポート:優しそうなお顔の写真。
  • 保険証:全国健康保険協会。
  • 客付け仲介:東南アジアの方を専門にした東京の仲介会社。

相棒のAI Geminiに聞いてみたところ「すばらしい経歴です!問題ないです」との回答。

初めての外国人の入居者様ということで最初はちょっと警戒しました。しかし、地元を代表するような大企業にお勤めだったり、永住権をお持ちだったり、保証会社の審査も一発通過。写真のお顔も穏やかな善人顔だったことで「この人なら大丈夫かもしれない」とお受けすることにしました。

今回はプラットフォーム系の仲介会社だったため、実際に入居者様や仲介業者と会ったり、書類にハンコを押したりすることもなく、全てがネット上で完結。 今まで地元の不動産会社で対面客付けをしてきた私としては、なんだかふわふわと現実感がないまま入居当日を迎えました。

入居当日

プラットフォーム仲介会社から「本日XX時に入居されるそうです」とメッセージが入りました。

キーボックスに鍵を入れておいたり、鍵を郵送したりすることもできたのですが、入居者さんをこの目で確認して、ゴミ捨て場を教えたり、ご近所さんにも挨拶したかったので自分で鍵を受け渡すことにしました。

私は新調したカーテンをレールにかけたり、お庭の草刈りやお部屋の最終チェックをしながら物件で入居者様を待っていました……が、約束の時間から1時間半過ぎても一向にいらっしゃる気配がありません。

そろそろ暑さも限界だったので不動産会社に連絡すると、先方の仲介経由ですぐに入居者様から電話がかかってきました。

「すみません、いま駅にいます。あと40分でつきます」

車で引越しされると聞いていたのですが、「車の手配が間に合わなかったのかな?かわいそうに……」と思い、駅まで車で迎えに行ってあげることにしました。

携帯で連絡を取り合いながら無事に駅で合流できたのですが、手に持っているのはカバン一つの超軽装。おやおや?どうやら今日は本格的な引っ越しではないようです。

入居者様を車に乗せて物件に向かう間、フロントミラーでチラッと顔を見たのですが……マスクをしているせいか、なんだか「IDの写真と顔が違う」ような気がしました。

(うーん? 外国人の顔だから見分けがつかないのかな? 仕事が忙しくて痩せちゃったのかな?っていうかこの暑い中マスクしてる・・・暑そう・・・)

若干モヤモヤしながらも、車内で「お仕事はどんな業務をされているんですか?」「ご結婚は?」「お子さんは」「今どこにお住まいなんですか?」と世間話をしてみました。

すると、話せば話すほど頭の上に「?」が浮かび上がってきます。

  • 職種の謎:申込書には「大手工業機械メーカーで部品制作・組み立て」とあったのに、話を聞くと「普段はタイル貼りや解体作業(建設系)」と言っている。
  • 家族構成の謎:給与明細には家族手当(扶養手当)がついているのに、「奥さんは来週来日する、子供はいない」と言う。(じゃあ、あの手当は誰の分…?)
  • 居住地の謎:申込書の住所は「東京都内」なのに、「4年前から電車で30分くらいのA市に住んでいる」と言う。

……え?4年前からA市に住んでるの?? 申し込み書の住所と違うやないかい!?

頭の中でたくさんの「?」マークがぐるぐると回り始めました。

とはいえ、とても感じよく一生懸命礼儀正しい様子でゴミ捨て場やご近所のことを聞かれたので、丁寧にご案内し、一緒にご近所さんへ挨拶回りも済ませました。 ガスのメーターの写真を撮らせてくれと言われたのでガスのメーターもお見せしました。(こんなこと初めて聞かれたので「はて?」と思いつつ…)

その後、「もう仕事に戻らないといけない」とそわそわした感じでおっしゃったので、 「じゃあ、あなたの仕事場の〇〇株式会社(申込書の住所)まで送っていきますよ!」と言うと、 「いや、今駅のそばの現場で働いていて、課長も仲間もそこにいるので駅までで大丈夫です」とのこと。

株をやっている私としては、彼を送迎することを口実に地元の一部上場の有名企業の受付まで送っていける!とミーハー心でワクワクしていたので少し残念でしたが、言われた通り駅まで送り届けました。

なお、今回は準備が急だったため襖紙の交換が入居日に間に合っていませんでした。 本格的な引っ越しはまだ先とのことだったので、鍵は敷地内のキーボックスに入れ、引っ越しの日までお互いに共同で使おうと話し合って設置し、この日は解散となりました。

衝撃のAI回答

無事に入居者様のお出迎えとご近所挨拶を済ませて帰宅。 シャワーを浴びてソファにゴロゴロしながら、今日あたまの中に浮かんだたくさんの「?」についてスッキリさせたい気持ちになりました。

そこで、今日気になった「?」について、AIに新たなスレッドを立て、IDカードのスクリーンショットを添付して「XX株式会社 業務 タイル貼り 変じゃない?」と改めて分析してもらったところ……

AI:「これは偽造の可能性が非常に高いです。『タイル貼り』とは、IDの上にタイルを貼るように嘘の情報を貼り付けて偽造IDを作り出す隠語・技術のことです

突然の返事!!!

「えーーー!!!!まじかよ!!!!今更かよ!!!!この前は、素晴らしい経歴の入居者様って言ってたじゃんか!?」 「しかもなんかちょっと、私の質問の『(実際の作業である)タイル貼り』の意味をトチ狂って勘違いしててハルシネーション起きてる感じもあるけど……でも偽造って言った!!??」(*タイル貼りが偽造IDを作る時の隠語というのは、AIのハルシネーションでした。)

あまりの衝撃に、ソファから跳び起きました……。

(つづく!)

タイトルとURLをコピーしました