先日、洗濯物を畳みながらYouTubeの「楽待チャンネル」でエミン先生の放送を見ていました。
バリュー投資家のエミン先生、相変わらずスペースXの上場について辛口に語ってらっしゃいました(笑)。でもエミン先生は視聴者を煽ったりしないし、何かをこき下ろすときにも説明が知的だから、心を乱されることなく拝見できてとても良いです。
さて、YouTubeでエミン先生がこれからの長期的なテーマとして4つおっしゃっていたのでご紹介します。
- 通信:IT、通信インフラ、AIソフトウェア
- ヘルスケア:遺伝子治療やAI(クオリティ・オブ・ライフを高めたい人類の願い)
- エネルギー:原発
- 防衛・国家安全保障:三菱重工だけでなく、サイバーセキュリティ、食・水の安全
今のところ私が持っていない「ヘルスケア関連」の会社を探ってみようと思います。
先日見つけた「薄目を開けたたぬき」である【6848 東亜ディーケーケー】のすぐ下に、たまたま並んでいた【6849 日本光電】。医療関連で、しかも数字を見ると若干シケモク寄りだったので、さっそく調査してみました!
【6849 日本光電】の基本データ
日本光電は、病院のICU(集中治療室)や救急現場で絶対に欠かせない医療用電子機器(生体情報モニターやAEDなど)で国内首位、世界でもトップクラスの超一流ハイテク企業です。
- 自己資本比率:70.1% (医療業界屈指の高さ!)
- 利益剰余金:1,754億円
- 有利子負債:249億円
- 営業キャッシュフロー:210億円
- 現金同等物:456億円
- 業績:ほぼ横ばい
- 営業利益率:8%
- 配当利回り:2.27%
- PBR:1.3倍
- 参入障壁(Moat):病院のモニターやAEDなど、命に直結するため新規参入が100%不可能な超・高参入障壁。
過去の栄光から見れば、どっぷりと「たぬき圏内」へ引きずり下ろされている状態です。
🦊 きくちゃんのたぬきチェック(手術中のたぬき)
- 銘柄名:日本光電(6849)
- たぬき分類:手術中のたぬき(痛みに耐えて人間になりたーい)
① 構造改革(大手術)の真っ最中
実は日本光電、直近の決算で、部材の高騰や製品ミックスの変化、あるいはアメリカなどの海外事業のテコ入れに伴って、利益面でガツンと痛みを伴う「もやもや悪材料(下方修正や減益)」を出しています。
これを受けて、かつてはピカピカの成長株(人間)として高く評価されていた株価が、ドカンと売り叩かれて今の割安な水準まで落ちてきました。まさに「落ちてくるナイフ」の状態です。
📊 日本光電の株価ドカン推移
- かつてのピカピカ(最高値圏):約2,600円〜2,700円
- 直近(2026年6月現在)の株価:約1,380円 (※2024年の株式分割を考慮した修正株価です)
なんと、一番高かった「イケイケな人間」だった頃から見ると、株価はほぼ半分(マイナス45%〜50%近く)にまで、文字通りまっさかさまに売り叩かれている状態です。
📉 なぜここまで売り叩かれたの?
引き金になったのは、今年(2026年2月)に発表された「今期業績の下方修正(増益予想から一転、減益へ)」というネガティブ・サプライズです。
病院の経営悪化で予算が削られたり、海外事業の進捗が慎重になったりして本業の儲け(営業利益)の見通しが下振れ。さらに早期退職プログラムの特損なども重なり、「もうダメだ!」とイケイケのグロース投資家たちが絶望して、花火大会の帰り道のように一斉に手放して逃げ出したため、このような株価になりました。
最高値の2,600円台だった頃はPBRも2倍を超えており、とてもシケモク(たぬき)としては手が出せない高嶺の花でした。それが、この下方修正ショックによって、中身の強固な財務や医療インフラのシェアは一切変わっていないのに、PBR1.3倍という割安圏まで一気に落ちてきてくれたわけです。
最高値から半額セールになり、しかも裏では「強力な目覚まし時計」が鳴り響いています。
② 目覚まし時計としての「アクティビスト(外圧)」
この日本光電には、物言う株主(アクティビスト)として有名な海外ファンド「3Dインベストメント・パートナーズ」などが大量に株を買い集めて、裏で会社側に「もっと現金を有効活用しろ!」「自社株買いをしろ!」「PBRを上げろ!」と猛烈なプレッシャー(外圧)をかけています。
つまり、寝たふりをしたくても、外からバケツで水をぶっかけられて「起きろーー!!」と大音量の目覚まし時計を鳴らされている状態なのです。
📌 備忘録としての投資戦略
中身は、日本の医療インフラを支える無借金&自己資本比率70%超の超・優良企業。病院のモニターは一度導入されたら早々買い替えられないため、保守メンテのストック収入も強いです。
現在は、業績の踊り場(手術の痛み)と市場の失望売りによって株価が叩き売られている「1番底への坂道の途中」。
しかし、アクティビストという強力な目覚まし時計が鳴り響いており、会社側も否応なしに「増配」や「自社株買い」、あるいは「効率経営への脱皮」という呪文を唱えざるを得ない構造に追い込まれています。
一生寝ているだけの仙人たぬきとは違い、現物100株を仕込んで「数年後の人間の世界(PBR・株価の見直し)への復活」という答え合わせを待つには、これ以上ないほど資金効率の条件が揃った、非常に面白い観察対象です。

