こんにちは、シケモクハンターのきくちゃんです!
2026年5月に始めたこの「シケモク投資図鑑」、地味で財務がガチガチな会社をコツコツ調べては、忘れないようにここに記録しています。
今回は、一見「え?地味株専門のきくちゃんだよね?なんでそんなオシャレで派手なところを?」と思われそうな銘柄。
そう、あの【3287】星野リゾート・リート投資法人です。
でもね、だまされないでください(笑)。
会社四季報をめくって、その生い立ちを調べてみたら、これ、中身はめちゃくちゃ「泥臭くて、守りが鉄壁なシケモク精神」が流れる銘柄だったんです。
星野社長の20代の苦労話を知ったら、もう応援せずにはいられなくなっちゃいました。
星野リゾートが【大家さん(リート)】を募集したわけ
星野リゾートって、もともとは軽井沢の古い温泉旅館からスタートしているのですが、バブルが弾けたあと、全国のダメになったリゾートをどんどん蘇らせる「再生のプロ(運営・管理会社)」として有名になりました。
そのとき、星野社長が徹底したのが「自分たちは管理に徹して、建物は自分で持たない!」という作戦。
- 星野リゾート(社長の会社): 自分たちは「中身(サービス、集客、管理)」の運営だけに集中するプロ集団。
- 建物のオーナー: 最初は外資系のゴールドマン・サックスとかに大金を出して買ってもらって、そこから建物を借りていました。
これなら、大借金を背負って建物を建てるリスクがないから、身軽にどんどん楽しい宿を増やせるよね、という賢いやり方です。
## リーマンショックで大ピンチ!「よその大家さんは信じられん」の教訓
ところが、2008年のリーマンショックで大問題が起きます。
建物を所有してくれていた外資系ファンド(いわば、当時の大家さん)が、世界的な大不況で自分のところの資金繰りが苦しくなっちゃったんです。
ホテル自体は黒字でうまく回っているのに、大家さんの都合で「ゴメン、この建物急いで売り払うわ!」と、宿を勝手に転売されそうになるピンチが連発。大家さんがコロコロ変わって方針が二転三転したら、じっくりいい宿の管理なんてしていられません。
ここで星野社長は骨身に染みて気づいたわけです。
「短期の利益しか考えてないよその大家さんに、大切な宿の命を握らせちゃダメだ。景気が悪くても、ずーっと長〜く建物を守ってくれる**『身内の、安定した大家さん』**を自分たちで作らなきゃ!」
そこで、一般の投資家(私たちですね)から市場を通じてお金を集めて、星野リゾートの建物を専門に買ってくれる専用の大家さん、「星野リゾート・リート(3287)」を2013年に自分たちで立ち上げちゃったんです。
これで、
- リート(3287): 星野リゾートの建物をしっかり保有する「最強の、身内の大家さん」。星野リゾートがガッチリ集客してくれるから、安定した家賃(分配金)が投資家に入ってウハウハ。
- 星野リゾート(社長の会社): 信頼できる大家さんに建物を守ってもらいながら、自分たちは安心して「ホテル管理・運営」の腕を振るえる!
という、素晴らしい安心サイクルが完成しました。外資系の大家さんに裏切られそうになったピンチを、最高の大家さん(リート)を自前で作ることでひっくり返したんですね。星野社長、本当にたくましい…!
四季報をめくって、きくちゃんが2回見直した数字
さて、私の大好きな四季報チェックです。これがまた、ヨダレが出るほど手堅いんです。
- 自己資本比率:約58%これ、不動産業界(リート)を知っている人なら「えっ!?」と2度見する数字です。普通は借金をたくさんしてビルを買うので、40%〜45%くらいが普通。58%って、どんだけ借金少なめで安全運転してるの!ってレベルです。
- 営業収益・純利益ともに:増収増益!エミン・ユルマズさんも「日本のインバウンド(観光)はまだまだ始まったばかり」って言っていますが、世界から見たら今の日本は安くて安全で最高な国。海外の富裕層がどんどんお金を落としてくれています。
💡 利上げもインフレも、全部「想定内」の防御力
これから日本も金利が上がるかも…とみんなビクビクしていますが、星野リートは「借金がそもそも少ない」上に、その借金も「固定金利」でガチガチにロックしています。だから、金利が上がっても利払いが急に増えたりしません。
さらにインフレ(物価高)対策も完璧。
昔の日本の旅館は、お客さんが日本人だけだったので、不況になったら値上げできずに潰れちゃいました。でも今の星野リゾートには海外のお客さんがたくさんいます。
圧倒的なブランド力があるから、光熱費やリネン代が上がった分は、「はい、客室料金に上乗せね!」と、ちゃんとお客さんに請求(価格転嫁)できているんです。だからインフレになればなるほど、実は儲かる仕組みになっています。
今、ちょうど「バーゲンセールの交差点」を通過中
じゃあ、なんでそんな無敵の株が安くなっているのか?
実は最近、「日本の金利が上がるぞー!」というニュースのせいで、恐怖にかられた投資家たちがJ-REIT(リート市場全体)をまとめて投げ売りしたんです。
星野リートもそのとばっちりを受けて、ちょっと前まで27万円台だったのが、今は24万円あたりまで連れ安しています。
ビジネスは絶好調、中身はカンカンに元気なのに、市場の勘違いで安くなっている。お陰で、貰える分配金の利回りはなんと5.4%前後まで跳ね上がっています!
銀行に預けても1%もつかない時代に、この鉄壁な星野リゾートが5%以上の家賃をくれるなんて、エミンさんの言う「市場のパニックによるバーゲンセール」そのものです。
きくちゃんの独り言:泥臭い経験がある人は、強い。
最後に、私がこの銘柄を「信じられる!」と思った、星野社長の若き日のエピソードを。
星野社長は、アメリカのすごい大学院で最先端のホテル経営を学んだあと、実家を継ぐ前の修行として、外資系のシティバンクに就職しました。(エリート後継息子は、実家を継ぐ前に銀行に就職するあるあるですね。)
本人は「華やかなホテルに投資する部署に行けるぞ〜!」とワクワクしていたのに、会社から配属されたのは、なんと真逆の「焦げ付いた借金を回収する泥臭い部署(債務整理)」。
当時は「なんで自分がこんな裏方のドロドロした仕事を…」とガッカリしたそうです。でも、そこで毎日のように「どういうホテルが潰れるのか」「借金を抱えすぎた会社がどうやって崩壊していくのか」を、特等席で嫌というほど見せつけられた。
この、20代のときの「めちゃくちゃ泥臭い、潰れる現場のリアル」があったからこそ、実家に戻ったあとに「借金は悪!建物は持たない!」「身内の大家さん(リート)の財務は、自己資本比率58%でガチガチに守る!」という、今の絶対に潰れない星野リゾートの哲学が生まれたわけです。
旅館業は、みんな「おもてなし」にばかり目が行きがちですが、資金面の負担としては、
おもてなし 1 : 建物 4 : 土地 5 = 旅館業
で出来ているのです。
それだけ不動産と建物が重いリスクを孕んでいる業種なのです。だから、これくらいの財務管理の徹底ぶりがないと、あっという間にマクロ・ミクロの変化にのまれて坂道を転げます。
昔見たNHKのテレビの対談で、星野社長が若い経営者相手に「君ももっと借金した方がいいよ〜」とか言いながらキラキラしたホテルを経営していて、「なんて胡散臭いおっさんだ」とずっと思って、それ以来ずっと避けていました(笑)。でも、ちゃんと調べて知ってみると、これ以上ないくらい「負けないシケモク精神」を持った、とても良い経営者なのでした。
目先の小さな値動きにはお付き合いせず、この頼もしい星野社長の仕組みに便乗して、長いインフレ時代のお守りとして、じっくり分配金をいただきながら応援していこうと思います!


