前回の記事で、「よし!それなら白馬の騎士(タイヨウ・パシフィック・パートナーズ)が愛する銘柄を調べて、プロのカンニングペーパーに便乗しちゃおう!」と意気込んでいた私(笑)。
さっそく鼻息荒く調べてみたのですが……。
世の中そんなに甘くありませんでした。調べを進めると、驚きの事実がわかったのです。
1. コバンザメ投資商法、一瞬で撃沈(笑)
実は近年、タイヨウは中小型日本株の保有比率を大幅に引き下げ、完全子会社化による非公開化(MBOなど)を経て、投資を回収(利益確定)する事例が相次いでいることがわかりました。
理由は主に以下の2点のようです。
- (1)代表(ブライアン氏など)の世代交代 タイヨウを引っ張ってきたブライアン・ヘイウッド氏ら中心メンバーも、長年日本株に投資してきて、年齢的にキャリアの終盤(次の世代への引き継ぎ期)を迎えています。彼らが元気なうちに、これまでの大成功した投資の成果をきっちり現金化して、出資者(顧客)にボーナスとして返してあげるという「美しい手仕舞い」の動きをしているようです。これって、まるでバークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェット氏が引退(CEO退任)にあたって、ここ数年でアップルなどの保有株を数兆円規模でドカンと大売却し、現金(キャッシュ)を過去最高に溜め込んだ状態で次の新CEOへバトンを渡したことと重なりますよね。
- (2)ファンドの「満期」が近づいている 投資ファンドには通常「10年」といった寿命(運用期間)があります。2010年代〜2020年代にかけて彼らがたくさん仕込んだ「お宝日本株」たちが、今まさに満期を迎えて、次々とクローズ(手仕舞い)していくローテーションの時期に入っているのです。
というわけで、お手軽なコバンザメ投資のアイディアは、一瞬にして撃沈しました。あははー。 やっぱり四季報とコツコツ向き合うのが一番ですな。ウホホッ。
2. 【タイヨウから任天堂へ】受け継がれるバトン
しかし、ここで話は終わりません。
このタイヨウ・パシフィック・パートナーズを、任天堂の創業者一族の投資会社「ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)」が買収して取って代わる、という記事を目にしました。
このYFOを率いるのは、任天堂を花札やトランプの会社から世界で勝負するゲーム機メーカーにした創業者のお孫さん(なんと30代の若さ!)。
一度は外資の脅威にさらされ、アメリカの紳士なファンドに預けられて守られていた「日本のピカピカな地味企業たち」の利権が、時を超えて、今度は日本が世界に誇るDNAを持つ若いリーダーの手に還ろうとしているのです。
3. 時代の変わり目に、私たちは投資している
バフェット氏のCEO退任、タイヨウから任天堂創業家へのバトンタッチ、そして象印の市川社長の自社株買い(これからくる自分のバトンタッチへ向けて、自身の立場を強くするための準備)。
これらはバラバラのニュースではなく、すべて『日本企業の古いガバナンス(体制)が、令和の新しい力によって再編される大きなうねり』の現れだと私は感じています。
振り返れば、オイルショックの激動の中で生まれ、プラザ合意のニュースを聞きながら小学校に入学し、バブル崩壊の余波の中で大学に行き、氷河期の末期で必死に就職、ようやく独立したと思ったらリーマンショック……。
生まれてからずっと、殴られ続けているような日本経済を見てきた私にとって、これまで日本の地味な優良企業たちの面倒を見てくれていたファンドが、「外資のおじさん」から「再び日本企業の若者」へと変わっていく様子は、「あぁ、日本がようやく変わろうとしているんだな」と、深い感慨を抱かずにはいられません。
きくちゃんの学び & まとめ
市場が「古い同族経営だから」「地味だから」と、象印のようなピカピカな優良企業を1,400円台まで見捨てている今だからこそ、私たちはその『安さ』に便乗してそっと仕込んでおく。
あとは、バフェットが愛したような『使って安心、絶対に潰れない日本の品質』を信頼し、若い世代によるこれからの大再編(MBOやカタリスト)を、お茶でも飲みながらのんびり待つ。
そしてその間に、私たちは次なる割安シケモク株をコツコツ探すのです。
時代の大きなうねりを感じながら、ドッシリ構えて投資を楽しんでいきましょうね!
(免責事項:投資は自己責任でお願いします!)


