「お金の話を正々堂々とできる」――それだけで、不動産投資を始めて本当によかったと思う。

不動産投資を始めて本当によかったと思うこと。それは、「お金の話を包み隠さず、正々堂々とできる経営者や大家の友達が増えたこと」です。

それまでも経営者の知り合いはいましたが、お互いのプライバシーに踏み込まないよう、気を遣いながら当たり障りのない会話をするのが常でした。

しかし、投資家の友達は違います。みんな、自分が工夫してどれだけ成果を出したかを話したくて仕方がないのです。

普段は「隠れキリシタン」のように生きる大家たち

一般社会において、個人投資家や大家は「金の亡者」「働かずに楽して稼いでいるずるい人」という偏見の目で見られがちです。だからこそ、サラリーマン大家も地主も、普段は「隠れキリシタン」のように目立たないよう静かに生きています。

手堅い不動産投資家ほど、高級車を所有していても普段は乗りません。投資家が高級車を買う理由は、大体が減価償却対策です。購入した車は車庫に眠らせ、減価償却が終われば買った値段(もしくはそれ以上)で売却します。彼らが普段乗るのは、軽自動車や軽トラ、あるいはプリウスです。小回りのきく国産車に乗ってボロい中古物件を回ったり、ホームセンターで資材を買ったり、職人さんに指示を出したりしています。

そんな地味な日々を送る大家たちが、大家の会やイベントで集まると、一気に水を得た魚のようになります。 「どうやって職人を探したか」 「客付けのコツは何か」 「ローンはどこで引いているか、利回りはどれくらいか」 質問すれば、みんな惜しみなく、包み隠さず教えてくれます。

ここで得られる具体的な知識はもちろん貴重ですが、何よりありがたいのは、「誰に気兼ねすることもなく、お金やビジネスの話ができる場そのもの」です。

「仕事」と「お金儲け」の境界線

日本の教育は、見方を変えれば「大企業で真面目に働き、高額な納税をするサラリーマンや専門職」を育てるための仕組みのようにも思えます。「真面目に働く」「お金の話は、はしたない」が美徳とされる社会です。

そのため、「税金の仕組みを学んで節税する」「ローンを引いてレバレッジをかけ、資産を増やす」といった話をすると、一瞬で「守銭奴」や「ずるい人」に認定されてしまいます。

以前、ある習い事の教室で、自営業の方に不動産投資の話をしたときのこと。 「きくちゃん、最近のお金儲けの調子はどうですか?」と聞かれ、ハッとしました。

普通の仕事は「ビジネス」や「仕事」と呼ばれるのに、投資になった途端に「お金儲け(=ちょっと怪しいこと)」と認識されるのだな、と。それ以来、私は非投資家にはこの話をしないようにしています。

大家業は、想像以上に泥臭い「労働」である

私がやっている築古戸建ての投資は、実際にはもの凄く泥臭い「労働」です。

人気のない古い物件は、道が狭くベンツなどでは通れません。だから軽自動車で買い付けに向かいます。リフォーム費用を抑えるため、工務店丸投げではなく、職人さんへの直の発注(分離発注)です。

コンビニの駐車場で休憩している職人さんに突撃して名刺を交換したり、建材屋さんの営業マンに独立したての腕の良い職人さんを紹介してもらったり、ときには走っているガラス屋さんのトラックを追いかけて声をかけたことすらあります。

種銭だって、サラリーマン時代に給料の3分の1をコツコツ自動積立したり、事業の利益を実直に貯めて作ったものです。

私たち投資家が買うような人気がなくて安い築古物件の庭は大抵ジャングルのようになっています。木を一本ずつ伐採し、草を刈り、軽トラを借りてクリーンセンターと物件を何往復もしてゴミを捨てます。 5〜10月の草刈りもエンドレスです。放置すれば冬に枯れて火災の原因になり、夏はツタが外壁を傷めます。太くなりすぎたおびただしい数の雑草を根っこから掘り起こす作業は、完全な肉体労働です。

住む人が快適に暮らせる住環境を、自分の手と足を使って作り上げていく。これが大家のリアルな仕事です。

これほどの労働を「不労所得のお金儲け」としか捉えられない人たちとは、確かに住む世界が違います。お互いに干渉せず、目立たない場所で静かに生きていくのが賢明です。

180度違う世界で生きる楽しさ

だからこそ、投資家の集まりに行くと本当に救われます。そこには180度違う世界観があり、堂々とお金やビジネスの挑戦を語り合えます。

参加者の年代も20代から70代まで幅広く、資産も数百万から数十億まで様々です。一人ひとりが異なる価値観と手法で闘っており、その仕事や人生のバックグラウンドを聞くだけで本が何冊も書けそうなほど面白い。

私ももう40代後半。価値観の違う人とは上手に距離を置き、高め合える仲間との出会いに感謝しつつ、等身大で、のんびりと、のびのびと自分の投資を楽しんでいきたいと思います。

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