【イケイケ狐ギャル】【4415ブロードエンタープライズ】第1部:【仕組み編】謎の「ゼロブロ契約」とインバウンド民泊バブルの闇

シケモク不動産

第1部:【仕組み編】謎の「ゼロブロ契約」とインバウンド民泊バブルの闇

真面目で手堅く、ダサい包装紙に包まれた「黄金のシケモク」を探すのが趣味のシケモクハンター、きくちゃんです。

いつもは地味で財務ピカピカなシケモク銘柄ばかり見ている私ですが、先日、BBQでマブダチの大家のおっさんから、最高にゾクゾクする話を聞いてしまいました。

ターゲットは【4415 ブロードエンタープライズ】(以下、BE社)。

いやー、たまに真逆の「やばい会社」を覗き見したくなる……それって世の常、人の常ですよね。「普段は堅実で清楚なひとが良いけれど、たまには派手でセクシーなギャルとスリリングな遊びをしてみたい」みたいなことは、キャバクラ通いの昭和のおっさんが言いそうなセリフですが、多分そんな感じ。私も小さい頃「あなたの知らない世界」がテレビでやっていて夜におしっこ行けなくなるのがわかってるのについつい観てしまって後で一人でトイレ行けなくなって困るってことがありました。あんな感じ?

というわけで、怖いもの見たさの願望がムズムズと湧いてきたので、まずはこの会社が仕掛けている「天才的スキーム」の裏側から解剖していきます!


会社四季報で見る「ブロードエンタープライズ」の正体

まずは客観的なデータとして、会社四季報の「特色」欄を覗いてみましょう。

【特色】 賃貸マンション向け全戸一括型インターネット『B-CUBIC』の導入が柱。初期費用無料プランが強み。IoTや後付けオートロック、民泊向け等へ展開。

ここに書かれている「初期費用無料プラン」こそが、今回の主役である「ゼロブロ」というスキーム。そして今、彼らが大爆発させているのが、民泊向けの「IoTリノベ」(スマホで鍵やエアコンを遠隔操作できる最新メカを詰め込んだリフォーム)です。

創業者の中西良祐社長は、小学5年生の時に父親が事業に失敗して一家離散を経験したという苦労人。大学時代からイベントサークルで営業センスを発揮し、26歳で独立しました。

彼が考案した「ゼロブロ」の基本構造はこうです。 「家主さん、初期費用はゼロでいいですよ!その代わり、回線管理費や保守費用として、将来的に毎月チャリンチャリンとストック収入で回収し続けますね」

*ストック収入とは、一度仕組みや資産を作れば、その後は継続的かつ自動的に得られる収益のことです。労働した分だけ報酬を得る「フロー収入(労働収入)」とは異なり、長期的な安定性と時間の自由をもたらすのが特徴です。(例:家賃、サブスク、アフィリエイト、配当金など)

最初は、一般的な居住用賃貸マンション向けに営業をかけ、コロナ禍の引きこもり需要(リモートワーク大爆発)の波に乗って2021年末に東証マザーズ(現グロース)へ上場を果たしました。ここまでは、まだ手堅い通信設備の会社だったんです。

ところが、コロナが明けて劇的な円安が進むやいなや、この会社は「民泊・インバウンド」のジャンルへとカメレオン並みの変身を遂げます。

「一般マンションより、今バブルが来ている民泊にゼロブロのプランを横展開した方が、1件あたりの単価も利益も爆発的に取れるじゃん!」と舵を切ったのです。


現代の「炭鉱のスコップ売り」とマネー・ショートの世界

これ、ビジネスモデルのポジションとしては完璧です。 ゴールドラッシュの時に一番儲かったのは、一攫千金を狙って泥だらけになった労働者ではありません。金に目が眩んだ者たちに「スコップ(道具)や作業着(ジーンズ)を売った商人」でした。

BE社はまさにこれ。民泊が成功するか失敗するかに関わらず、「民泊を始めたいオーナーに、超高級なスコップ(IoTリノベや設備)を売りつける商人」として、確実に儲かるポジションを取る!それが彼らの戦略です。

四季報の本文をよく読むと、こんな生々しい記述があります。

「与信に懸念ある個人の民泊事業者向けに、提携信販をあっせん」

与信(信用)に懸念がある個人……つまり、金利2〜3%の銀行から断られ、金利3〜9%のノンバンクでも借りられない。だけど「今、民泊をやれば絶対に儲かる!」と息巻いている個人投資家たちです。保守的なバリュー投資家の私の目には、映画『マネー・ショート』で、返済能力がないのに流行りの住宅バブルに乗っかって住宅ローンを何軒も組んでいた無学なストリップ劇場のダンサーたちと完全に重なります。

通常の工事会社は、資材を仕入れて工事をし、数ヶ月後にやっと現金が入ります。そのためキャッシュフローが、カツカツになりがちです。しかしBE社は、投資家相手に「ゼロブロ契約」が成立した瞬間に、裏の提携金融機関(信販会社やファンド)にその分割債権を売却して、一瞬で工事代金を「一括回収(利確)」します。

自社の手元資金をほとんど寝かせることなく、次の現場へ投資できるわけです。つまり、資本効率が、爆発的に高くなるというわけです。

「なんだ、ただの天才ストックビジネスじゃん!」って思いました? フフフ、甘い。この「一括回収」の舞台裏にある、強烈に歪んだ財務諸表を覗くと、このギャルのセクシーさの裏にある「危うさ」が見えてきます。

続きは、第2部:【財務編】驚異の利益率22% vs 営業CFマイナス25億のイケイケギャルでお会いしましょう。

たぬきチェック:イケイケギャル狐

  • 銘柄名: ブロードエンタープライズ(4415)
  • たぬき(狐)分類: イケイケギャル狐(レバレッジ全振りのスピードスター)

【ガバナンスとビジネスモデルの構造チェック】 地味に現金を隠してお昼寝している「伝統的なシケモクたぬき」とは180度異なり、市場のブーム(リモートワーク需要→インバウンド民泊バブル)に合わせて目まぐるしく姿を変えるグロース(成長)市場の典型的な「狐(きつね)」タイプの企業である。

ゴールドラッシュにおける「スコップ売り」のポジションを確保し、契約成立と同時に金融機関へ債権を売却して一瞬でキャッシュを回収するスキームは、ビジネスの設計としては極めて合理的かつ天才的。中西社長の「一家離散の苦労から這い上がった営業センス」が、そのまま会社の突進力になっている。

【与信リスクと『マネー・ショート』の懸念点】 最大の特徴であり、同時に最大のリスクが「与信に懸念のある個人民泊事業者」への信販あっせんという踏み込んだ営業姿勢である。

現在は円安インバウンドバブルという「強気相場」の上に乗っているため、信販会社への債権売却によるキャッシュ高速回転が綺麗に決まっている。しかし、これはバックグラウンドで「個人の借金」という巨大なレバレッジ(風船)を膨らませ続けている状態に近い。

【備忘録としての投資戦略】 本銘柄は、これまで研究してきたカゴメ(ディフェンシブ株)や東リ(V字回復株)のような「安全域の広いお守り」とは対極に位置する、極めてスリリングな景気敏感・高リスク銘柄である。

「驚異の利益率22%」という甘い香りに誘われて安易に飛び乗ると、マクロ経済の反転やインバウンドバブルの崩壊(あるいは金利上昇による信販引き締め)が起きた瞬間に、増収増益の坂道から一転して「営業CFマイナス25億」の歪みが一気に噴き出すリスクを孕んでいる。

「今は1番底に向かう坂道の途中」であり、「2028年に真の大底が来る」という大局観から見れば、このようなレバレッジ型のグローバルフロー企業は、不況の波を一番最初にモロに浴びる可能性が高い。

そのため、あくまで「自分の堅実なポートフォリオを脅かさないための、アンダーグラウンドな反面教師データ」として淡々と観察を続け、第2部の【財務編】でギャルの裏の顔(バランスシートの歪み)の答え合わせを電卓でパチパチと楽しむのが、シケモクハンターとしての正しい距離感である。

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